法人税

Q2:法人税の申告書のみるべき5箇所

nandn_nino

ご相談内容

取引先の法人税の申告書のチェックポイント(30代・経理)

支払いが遅れがちな取引先から、当社の営業が、決算書と法人税の申告書をもらってきました。決算書は簿記2級程度の知識でなんとかわかるのですが、「法人税の申告書」を3期分渡されても、正直、どこをチェックすればいいのか分かりません。たとえば、5箇所にしぼり、ここを指摘するとかっこいいぞ、みたいなチェックポイントを教えてください。

ご相談の回答

良く聞きます。法人税の申告書は、青色のヘッドレターが一番上に来ていて、通常、薄い青色の紙ですので、「青色申告」と言われています。それで、その青色の紙の右上を見ると、「別表1」と書かれていると思います。なぜ、別の表なのか、本当の表があるのか、といわれるとそんなことはなく、この別なのに、別でない、「別表1」からスタートするのが、法人税の申告書なわけです。

ベスト5に絞りますね。

法人税の申告書チェックポイント
別表1からわかること①代表者の住所。
②「1」で所得金額(欠損金額)
③「27」で過去の繰越欠損があるか否か
別表2からわかること①株主リスト(誰が主導者であるか)
別表4からわかること①一番上が決算書の当期利益(当期損失)
②一番下が税金計算上の当期利益(当期損失)
別表5(1)からわかること①「31④」の差引合計額が税金計算上の過去からの利益の累計額(もしくは損失の累計額)
別表7からわかること過去10年の欠損金の状況
税理士
税理士

上記の別表5(1)の「31」欄って、以外に重要で、この会社が設立来、トータルで儲かってきたかのPL(損益計算書)の最終利益の積算ですので、ここポイントです!

深堀

別表1の「1」番が、今期の利益。別表5(1)の右下「31④」がこれまでの利益の合計。別表7があれば、過去10年内に赤字があったことがわかります。
債権保全を考えるならば、別表1の代表者住所から代表者の資産背景の確認や別表2の株主構成も重要となってくるかと思います。

また、当社にとっても債権保全上のリスクがともなうならば、自社の顧問税理士に聞くのも手でしょう。要は、普段から、経理マンとして税理士に聞きやすい環境を作っておくものも大事です。

この記事の筆者
二宮眞秀
二宮眞秀
税理士
難解な税務をできるだけわかりやすく解説いたします!
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