Q2:税理士というお仕事(税理士は必要か!?)
ご相談内容
会社を設立したいと思っています。そこで相談です。「税理士」「弁護士」「司法書士」などのチカラを借りず、独力でまずはやってみたいと思うのですが、正直、どう思いますか?金銭的にも助かりますし。聞く相手を間違えているような気がしますが。
ご相談の回答
雇用される立場から、いつかは独立、開業し、会社設立を考える場合、まずは何らかのアイデアがあって決断をするのだと思います。つまり、あなたは、オフェンスであり、車で言えば前輪、でハンドルを握る優秀なドライバーなわけです。
「税理士」「弁護士」「司法書士」「社会保険労務士」など多くはディフェンス業務であり、車で言えば後輪を担うわけです。あまり、最初からあなたの車にわんさか乗せると、車重もあがり、スピードが出ません。燃費も悪くなりますし、後部座席を気にして振り返っている時間も余裕もないはずです。わかります。極論、いりません。自分でやればやれないことなどないと思います。また、「不要かも・・・」という必要性を感じない中で依頼された士業は、あなたにとって不必要な程度の存在であり、あなたが期待し想像している以上の活躍をしてくれる人なんてそうそういない、と思ってください。とくに、「安かろう」という理由だけで選び選ばれる関係性はあまり良いとは思いません。互いに「安かろう」「悪かろう」「この程度でよかろう」という最低限な関係性の中で、最低限な時間とお金の無駄使い、が生じるだけです。
では、まずは自分でやってみたいと思います。何事も経験ですし。失敗をすることもまた醍醐味かもしれませんし。
確かに、失敗から学ぶ、ということもあります。。。が、あなたのその「失敗」は一回限りの非常に不効率な失敗で、士業の一番の利用価値は「失敗の蓄積」を持っている、ということだと思います。
深堀
書籍やネット上で閲覧出来る輝かしい成功例は実は大して参考にならず、一番の士業の利用価値は、彼・彼女ら税理士や弁護士などの士業が持つ、それぞれ「人に言えない失敗」こそが最大の強みと考えています。成功は、100回のうちたまたまの1回かもしれません。また、税務署などにまだ発見されていないだけのことを成功と呼んでいたりします。
ですので、あなたの失敗はあなたで完結しますが、士業が経験してきた大なり小なりの失敗は、蓄積となり経験則となり、あなたの犯すであろう失敗を、半歩先で、すでに織り込んでくれるはずです。だから、一緒に車に乗ってもらうのです。それだけの価値があるのです。「何も起きない」から不要ではなく、「転ばぬ先の杖」をふるってくれているから事故らないのかもしれません。
また、「税理士」にしても他の士業にしても、その職責は「通訳」であると考えています。税理士ならば、国が求める税務ルールに、あたなの会社の仕事を「通訳」し、共通言語として橋渡しをします。
ですので「税理士」も最近、「○○業界に特化した税理士事務所」なども、たくさんありますが、私個人の意見としては、〇〇業界に絞って、そこの言語を理解し過ぎるのも危険、と思っております。つまり、共通言語を忘れてしまうから、です。常に、フェアーに、あなたの発する言語と、国が発する言語の双方の言語を理解し、どちらにも忖度せず、おもねらず、互いの主張を互いにわかりやすいように通訳してあげることこそ、税理士のお仕事、だしそうありたいと私は考えています。